歯
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+ | 歯の構造はとても複雑です。皆さんが笑う際、白く見える部分はそのほんの一部です。歯茎の下にはしっかりと根がはっていて、食べ物を切ったりかんだりする強い力を与えています。 | ||
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+ | 歯は口腔内にある食物を咀嚼する第一器官です。また人間の体の中で、一番の硬組織です。 | ||
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+ | == 歯の構造 == | ||
+ | 細かく見ると、歯は中心の神経('''[[歯髄]]''')、それを囲む'''[[象牙質]]'''、そして象牙質を覆う'''[[エナメル質]]'''という'''3層の構造'''になっています。 | ||
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+ | 歯髄は軟組織ですが、象牙質の約7割、エナメル質のほとんどが硬組織を構成する[[ハイドロキシアパタイト]]からできています。外層のエナメル質は、身体の最も硬い組織で、多少その内部からミネラルが溶け出しても(この現象を[[むし歯|脱灰]]、また[[むし歯|初期むし歯]]といいます。)、中心の神経に伝わることがないので、痛みを感じません。しかし中層の象牙質にまでミネラル損失が続き、本格的なむし歯となると、神経に伝わって、痛みを感じます。 | ||
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+ | ==== 歯冠と歯根 ==== | ||
+ | 歯は、口腔内に露出して白く見える部分の歯冠と、口腔内では見えない部分の歯根に区別することが出来ます。 | ||
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+ | 歯冠はその表面がエナメル質でできており、歯根はその表面がセメント質で覆われ、歯根は歯槽という歯(=歯牙)と顎骨を結ぶ骨の中に埋まっています。歯根は外側からセメント質、象牙質、歯根管となり、さらに内部には歯髄が入った構造になっています。 | ||
+ | 歯冠は噛み切ったり、砕いたりする役目を担っています。歯根は、歯を顎骨に保持する役目を担っています。 | ||
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+ | ==== [[エナメル質]] ==== | ||
+ | 歯冠の一番外側、表面を覆う部分。体の中でもっとも硬い組織 | ||
+ | 色は半透明。歯が白く見るのはエナメル質の下にある象牙質が透けて見える為です | ||
+ | ==== 象牙質 ==== | ||
+ | 歯全体の主体となる部分。象牙質は文字通りの象牙色 | ||
+ | ==== 歯髄 ==== | ||
+ | 歯髄(しずいdental pulp)とは、俗にいう歯の神経のことである。 | ||
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+ | == 歯周組織 == | ||
+ | 歯や歯の機能を支持する組織の総称で、その組織には、歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質があげられる。 | ||
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+ | ==== 歯肉(しにく) ==== | ||
+ | 歯肉は歯茎(はぐき)ともいい、歯周組織のうちの1つです。歯頸部(臨床的には、歯の口腔に露出した部分と埋伏した部分の境界付近)周囲と歯槽骨の表面を覆い、歯と歯槽骨に強固に付着している粘膜組織です。 | ||
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+ | [[画像:teethridge.jpg|left|200px|thumb|健康な歯茎]] 歯肉は歯頸部を囲んで輪状の堤をつくっており、一方では歯根膜と連絡し、他方では隣の口腔粘膜と続いています。その厚さは1~3mmといわれており、歯頸部に近いエナメル質を取り巻く内縁上皮と、外面より見られる外縁上皮に分けられます。また、歯と歯の間の歯肉は多少高まりがあり、その部分は歯間乳頭といわれています。 | ||
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+ | 健康な歯茎はピンク色、または淡い赤色をしていますが個体差があります。歯茎には、歯と頭蓋骨をつないでいる神経や血管の保護と、歯を支える役割があります。 | ||
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+ | ==== 歯根膜(しこんまく) ==== | ||
+ | 歯根膜は、歯槽骨に歯を固定させる、''歯周靭帯''とも呼ばれる歯周組織の1つです。歯根膜には、神経や毛細血管が含まれます。そして他の歯周組織への栄養俸給という役割をになっています。 | ||
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+ | ==== 歯槽骨(しそうこつ) ==== | ||
+ | 歯槽骨とは、顎骨と歯牙を結ぶ、歯がおさめられる骨である。 | ||
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+ | ==== セメント質 ==== | ||
+ | 象牙質歯根部の表面を覆う比較的薄い歯周組織で、歯を顎の骨に固定する役割を持もちます。その厚さは歯根の部位によって多少異なり、歯根先端に向かうとともに厚くなっています。 | ||
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+ | また歯根が分岐している場合は、分岐角内でもセメント質がよく発達しています。セメント質は年齢を増すとともにその厚さを増し、また歯根に慢性の刺激が加わるような状態でも新生を続けます。 | ||
+ | 成分は無機質(ほとんどがハイドロキシアパタイト)が65%、有機質(大部分がコラーゲン線維)と水分が35%となっています。 | ||
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+ | == 歯の発生 == | ||
+ | リスやマウスのなど、歯が一生伸び続けていく動物がいます。彼らは常に硬いものを齧る(かじる)ことから、「齧歯類(げっしるい)」と呼ばれています。 それに対して人間の歯は伸び続けることはありません。 | ||
+ | 人間の歯は、まず0歳から3歳までに乳歯が生えはじめ、その後6歳から12歳の間に、永久歯へと一回だけ生え変わります。その後一生使うのが永久歯です。 | ||
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+ | では歯はいつ頃できるのか? | ||
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+ | 胎生期の6週半、つまり妊娠1.5ヶ月目には、赤ちゃんの体内で歯の元となる組織が作られ始めます。 乳歯と、そして永久歯の一部の発生がこの時期に始まると言われています。 妊娠期の母親の体調が少なからず乳歯の発育に影響すると言えます。 | ||
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+ | ==== 発生の過程 ==== | ||
+ | この歯はどのように生えそろっていくのでしょうか? | ||
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+ | 乳歯の生える位置の細胞増殖が活発になり、8週目頃には歯や歯周組織のもととなる「歯胚」が、乳歯の数と同じ20個形成されます。 | ||
+ | 歯胚は細胞増殖を繰り返し、18週目頃から象牙質の基質、次にそれを覆うエナメル質が形成され、歯の外形が完成されます。神経などの部分は8週目頃からすでに発生していて、象牙質に囲まれる段階で歯髄と呼ばれるようになります。 | ||
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+ | <gallery caption="歯の発生" widths="130px" heights="180px" perrow="6"> | ||
+ | 画像:teeth1.jpg|胎生8週~9週 | ||
+ | 画像:teeth2.jpg|胎生9週~10週 | ||
+ | </gallery> | ||
+ | <gallery caption=" " widths="150px" heights="200px" perrow="6"> | ||
+ | 画像:teeth3.jpg|胎生14週位 | ||
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+ | また、永久歯は生後数年(約7年)してから生えてきますが、その歯胚はなんと生後4~5ヶ月頃にはすでに形成され始め、乳歯と同じような発生過程を経ます。 | ||
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+ | やがて、この乳歯、永久歯となる潜在的な歯は、顎の骨の成長とともに将来生える位置に移動して、生える準備が整えられていきます。 | ||
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+ | 一般的に乳歯は、生後6ヶ月頃に前歯が、2歳半頃までに奥歯が生えてきます。そして、永久歯が一本一本乳歯の奥に準備され、7歳頃に乳歯が前歯から抜け始めると、奥歯まで順番に永久歯に生えかわります。 | ||
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+ | ==== エナメル質は未成熟 ==== | ||
+ | このような過程を経て歯は生え揃うのですが、最初の段階ではエナメル質は未成熟なままで、その[[ハイドロキシアパタイト]]からなる結晶構造はまだ不完全な状態です。唾液中の成分(リン酸イオンやカルシウムイオン)などにより、徐々に成熟したエナメル質(ハイドロキシアパタイト結晶)になっていくのです。未成熟なエナメル質を守るためには、健全な唾液の分泌と毎日のオーラルケアが大切です。 | ||
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+ | == 歯の種類 == | ||
+ | === 乳歯 === | ||
+ | 乳歯は生後6ヶ月くらいに下の顎の前歯から生え始めます。もちろん個人差がありますから、多少時期がずれたり、上の顎から生え始める場合もあります。そして2歳半頃までに上下あわせて20本の乳歯が生え揃います。 | ||
+ | ==== -乳歯の成長期- ==== | ||
+ | *0-3歳 '''乳歯列期''' | ||
+ | *3-6歳 '''乳歯列期'''(安定期) | ||
+ | *6-12歳 '''混合歯列期''' | ||
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+ | 乳歯列期とは、乳歯が生え始める時期(0-3歳)から生えそろう時期(3-6歳/安定期)をいい、混合歯列期(6-12歳)とは永久歯へと生え替わる時期をいいます。 | ||
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+ | 混合歯列期は永久歯へと生え替わるために、歯茎が痛くなったり、歯がグラグラするなど、いろいろな変化が起こります。 | ||
+ | 歯がグラグラするからといって、早めに乳歯を抜いてしまうと、その大きな穴から雑菌が入ってしまう場合があります。一方、永久歯が生えかかっているのに、いつまでも乳歯を抜かないでいると、今度は永久歯の歯並びに影響が出でしまいます。 | ||
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+ | ==== -乳歯の特性- ==== | ||
+ | 乳歯は永久歯と比べて小さく、エナメル質は薄く弱い為、むし歯になると急速に進行して神経まで達するような痛みを伴うむし歯になりがちです。 | ||
+ | まずは下の前歯が生えてきたらガーゼなどでお手入れを始めます。さらに上の歯が生えてきたら、一日一回は歯みがきが必要です。 | ||
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+ | ==== -乳歯のむし歯- ==== | ||
+ | 幼児期のむし歯が心身に与える影響は大きく、痛みや不自然な噛み方などにより、正しい成長発育、食生活習慣の動機付けをゆがめることもあり、それが成人になって色々な形で現れる場合があります。 | ||
+ | また、むし歯が悪化して乳歯を抜くようなことになると噛むことがうまくできず充分なあごの発達ができなかったり、後から生えてくる永久歯のスペースが確保できなかったりして、歯並びに影響を与えることもあります。 乳歯がむし歯になると歯だけではなくさまざまな問題に影響があります。 | ||
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+ | === 永久歯 === | ||
+ | 多くの哺乳類の歯は、2度生え変わります。犬や猫の牙は、永久歯が生え揃うと、乳歯が抜けるようです。牙がないと獲物を捕まえることができないので、永久歯の牙と乳歯の牙が同時に生えている時期があるのでしょう。 | ||
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+ | それに対して人間は、乳歯が抜けた後に永久歯が生えます。両親に見守られながら成長する人間の子供には、歯がなくても食べ物の心配がないからという説もあります。 | ||
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+ | ==== -生え変わりの時期- ==== | ||
+ | 6歳頃から、乳歯が抜け始め、その後に永久歯が生えてきます。体の成長に伴い、顎の大きさに合わせた歯が必要になることや、大人になり、多くの食物を噛む力に耐えられる丈夫な歯が必要になるために、乳歯から永久歯への生え代わりが起こります。 | ||
+ | ==== -永久歯の数-==== | ||
+ | 永久歯は、乳歯と交代して生えてくる「代生歯」20本と、成長に伴い乳歯の後ろに新しく生えてくる奥歯、つまり、乳歯とは交代せず後から加わって生えてくる「加生歯」12本を合わせ、合計32本です。 | ||
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+ | 「加生歯」のうち、人によっては「親知らず」の4本が生えない場合もあります。古代では、今よりずっと固いものを食べていたので、「親知らず」は食べ物の咀嚼のための重要な役割を果たしていました。 | ||
+ | 現代では食物が古代より柔らかくなり、また顔の骨格もスマートになりました。結果、人間の進化と共に「親知らず」の存在意義も少なくなり、やがて退化傾向にあるといえます。 | ||
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+ | ==== -永久歯の成長期- ==== | ||
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+ | 6歳位に乳歯の奥に最初の永久歯である「6才臼歯」が生えます。これは、物を噛み砕く力が一番大きく、永久歯の歯並びや噛み合わせの基本となる重要歯です。 | ||
+ | しかし口内の奥に生え、溝が深く、歯みがきがしづらいため、食物のかすが残り、むし歯になりやすいといえます。 | ||
+ | その後、前歯から順次抜け変わり、12歳頃までに永久歯が揃ってきます。その間は、乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」と呼ばれ、歯の高さが違っていたり、抜けた歯があるなど、みがき残しができやすくなります。 | ||
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+ | ==== -永久歯の特性- ==== | ||
+ | また永久歯といえども、乳歯動揺、生えてから数年はエナメル質が未熟なため、むし歯になりやすいです。間食を少なくし、規則正しい食習慣を身に着けることが大事。 | ||
+ | 未熟な永久歯は唾液中のミネラル成分などにより、徐々に成熟した歯になるので、しっかり噛んで食事をし、[[唾液]]をたくさん分泌させることも大切です。 |
最新版
歯の構造はとても複雑です。皆さんが笑う際、白く見える部分はそのほんの一部です。歯茎の下にはしっかりと根がはっていて、食べ物を切ったりかんだりする強い力を与えています。
歯は口腔内にある食物を咀嚼する第一器官です。また人間の体の中で、一番の硬組織です。
目次 |
[編集] 歯の構造
細かく見ると、歯は中心の神経(歯髄)、それを囲む象牙質、そして象牙質を覆うエナメル質という3層の構造になっています。
歯髄は軟組織ですが、象牙質の約7割、エナメル質のほとんどが硬組織を構成するハイドロキシアパタイトからできています。外層のエナメル質は、身体の最も硬い組織で、多少その内部からミネラルが溶け出しても(この現象を脱灰、また初期むし歯といいます。)、中心の神経に伝わることがないので、痛みを感じません。しかし中層の象牙質にまでミネラル損失が続き、本格的なむし歯となると、神経に伝わって、痛みを感じます。
[編集] 歯冠と歯根
歯は、口腔内に露出して白く見える部分の歯冠と、口腔内では見えない部分の歯根に区別することが出来ます。
歯冠はその表面がエナメル質でできており、歯根はその表面がセメント質で覆われ、歯根は歯槽という歯(=歯牙)と顎骨を結ぶ骨の中に埋まっています。歯根は外側からセメント質、象牙質、歯根管となり、さらに内部には歯髄が入った構造になっています。 歯冠は噛み切ったり、砕いたりする役目を担っています。歯根は、歯を顎骨に保持する役目を担っています。
[編集] エナメル質
歯冠の一番外側、表面を覆う部分。体の中でもっとも硬い組織 色は半透明。歯が白く見るのはエナメル質の下にある象牙質が透けて見える為です
[編集] 象牙質
歯全体の主体となる部分。象牙質は文字通りの象牙色
[編集] 歯髄
歯髄(しずいdental pulp)とは、俗にいう歯の神経のことである。
[編集] 歯周組織
歯や歯の機能を支持する組織の総称で、その組織には、歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質があげられる。
[編集] 歯肉(しにく)
歯肉は歯茎(はぐき)ともいい、歯周組織のうちの1つです。歯頸部(臨床的には、歯の口腔に露出した部分と埋伏した部分の境界付近)周囲と歯槽骨の表面を覆い、歯と歯槽骨に強固に付着している粘膜組織です。
歯肉は歯頸部を囲んで輪状の堤をつくっており、一方では歯根膜と連絡し、他方では隣の口腔粘膜と続いています。その厚さは1~3mmといわれており、歯頸部に近いエナメル質を取り巻く内縁上皮と、外面より見られる外縁上皮に分けられます。また、歯と歯の間の歯肉は多少高まりがあり、その部分は歯間乳頭といわれています。健康な歯茎はピンク色、または淡い赤色をしていますが個体差があります。歯茎には、歯と頭蓋骨をつないでいる神経や血管の保護と、歯を支える役割があります。
[編集] 歯根膜(しこんまく)
歯根膜は、歯槽骨に歯を固定させる、歯周靭帯とも呼ばれる歯周組織の1つです。歯根膜には、神経や毛細血管が含まれます。そして他の歯周組織への栄養俸給という役割をになっています。
[編集] 歯槽骨(しそうこつ)
歯槽骨とは、顎骨と歯牙を結ぶ、歯がおさめられる骨である。
[編集] セメント質
象牙質歯根部の表面を覆う比較的薄い歯周組織で、歯を顎の骨に固定する役割を持もちます。その厚さは歯根の部位によって多少異なり、歯根先端に向かうとともに厚くなっています。
また歯根が分岐している場合は、分岐角内でもセメント質がよく発達しています。セメント質は年齢を増すとともにその厚さを増し、また歯根に慢性の刺激が加わるような状態でも新生を続けます。 成分は無機質(ほとんどがハイドロキシアパタイト)が65%、有機質(大部分がコラーゲン線維)と水分が35%となっています。
[編集] 歯の発生
リスやマウスのなど、歯が一生伸び続けていく動物がいます。彼らは常に硬いものを齧る(かじる)ことから、「齧歯類(げっしるい)」と呼ばれています。 それに対して人間の歯は伸び続けることはありません。 人間の歯は、まず0歳から3歳までに乳歯が生えはじめ、その後6歳から12歳の間に、永久歯へと一回だけ生え変わります。その後一生使うのが永久歯です。
では歯はいつ頃できるのか?
胎生期の6週半、つまり妊娠1.5ヶ月目には、赤ちゃんの体内で歯の元となる組織が作られ始めます。 乳歯と、そして永久歯の一部の発生がこの時期に始まると言われています。 妊娠期の母親の体調が少なからず乳歯の発育に影響すると言えます。
[編集] 発生の過程
この歯はどのように生えそろっていくのでしょうか?
乳歯の生える位置の細胞増殖が活発になり、8週目頃には歯や歯周組織のもととなる「歯胚」が、乳歯の数と同じ20個形成されます。 歯胚は細胞増殖を繰り返し、18週目頃から象牙質の基質、次にそれを覆うエナメル質が形成され、歯の外形が完成されます。神経などの部分は8週目頃からすでに発生していて、象牙質に囲まれる段階で歯髄と呼ばれるようになります。
また、永久歯は生後数年(約7年)してから生えてきますが、その歯胚はなんと生後4~5ヶ月頃にはすでに形成され始め、乳歯と同じような発生過程を経ます。
やがて、この乳歯、永久歯となる潜在的な歯は、顎の骨の成長とともに将来生える位置に移動して、生える準備が整えられていきます。
一般的に乳歯は、生後6ヶ月頃に前歯が、2歳半頃までに奥歯が生えてきます。そして、永久歯が一本一本乳歯の奥に準備され、7歳頃に乳歯が前歯から抜け始めると、奥歯まで順番に永久歯に生えかわります。
[編集] エナメル質は未成熟
このような過程を経て歯は生え揃うのですが、最初の段階ではエナメル質は未成熟なままで、そのハイドロキシアパタイトからなる結晶構造はまだ不完全な状態です。唾液中の成分(リン酸イオンやカルシウムイオン)などにより、徐々に成熟したエナメル質(ハイドロキシアパタイト結晶)になっていくのです。未成熟なエナメル質を守るためには、健全な唾液の分泌と毎日のオーラルケアが大切です。
[編集] 歯の種類
[編集] 乳歯
乳歯は生後6ヶ月くらいに下の顎の前歯から生え始めます。もちろん個人差がありますから、多少時期がずれたり、上の顎から生え始める場合もあります。そして2歳半頃までに上下あわせて20本の乳歯が生え揃います。
[編集] -乳歯の成長期-
- 0-3歳 乳歯列期
- 3-6歳 乳歯列期(安定期)
- 6-12歳 混合歯列期
乳歯列期とは、乳歯が生え始める時期(0-3歳)から生えそろう時期(3-6歳/安定期)をいい、混合歯列期(6-12歳)とは永久歯へと生え替わる時期をいいます。
混合歯列期は永久歯へと生え替わるために、歯茎が痛くなったり、歯がグラグラするなど、いろいろな変化が起こります。 歯がグラグラするからといって、早めに乳歯を抜いてしまうと、その大きな穴から雑菌が入ってしまう場合があります。一方、永久歯が生えかかっているのに、いつまでも乳歯を抜かないでいると、今度は永久歯の歯並びに影響が出でしまいます。
[編集] -乳歯の特性-
乳歯は永久歯と比べて小さく、エナメル質は薄く弱い為、むし歯になると急速に進行して神経まで達するような痛みを伴うむし歯になりがちです。 まずは下の前歯が生えてきたらガーゼなどでお手入れを始めます。さらに上の歯が生えてきたら、一日一回は歯みがきが必要です。
[編集] -乳歯のむし歯-
幼児期のむし歯が心身に与える影響は大きく、痛みや不自然な噛み方などにより、正しい成長発育、食生活習慣の動機付けをゆがめることもあり、それが成人になって色々な形で現れる場合があります。 また、むし歯が悪化して乳歯を抜くようなことになると噛むことがうまくできず充分なあごの発達ができなかったり、後から生えてくる永久歯のスペースが確保できなかったりして、歯並びに影響を与えることもあります。 乳歯がむし歯になると歯だけではなくさまざまな問題に影響があります。
[編集] 永久歯
多くの哺乳類の歯は、2度生え変わります。犬や猫の牙は、永久歯が生え揃うと、乳歯が抜けるようです。牙がないと獲物を捕まえることができないので、永久歯の牙と乳歯の牙が同時に生えている時期があるのでしょう。
それに対して人間は、乳歯が抜けた後に永久歯が生えます。両親に見守られながら成長する人間の子供には、歯がなくても食べ物の心配がないからという説もあります。
[編集] -生え変わりの時期-
6歳頃から、乳歯が抜け始め、その後に永久歯が生えてきます。体の成長に伴い、顎の大きさに合わせた歯が必要になることや、大人になり、多くの食物を噛む力に耐えられる丈夫な歯が必要になるために、乳歯から永久歯への生え代わりが起こります。
[編集] -永久歯の数-
永久歯は、乳歯と交代して生えてくる「代生歯」20本と、成長に伴い乳歯の後ろに新しく生えてくる奥歯、つまり、乳歯とは交代せず後から加わって生えてくる「加生歯」12本を合わせ、合計32本です。
「加生歯」のうち、人によっては「親知らず」の4本が生えない場合もあります。古代では、今よりずっと固いものを食べていたので、「親知らず」は食べ物の咀嚼のための重要な役割を果たしていました。 現代では食物が古代より柔らかくなり、また顔の骨格もスマートになりました。結果、人間の進化と共に「親知らず」の存在意義も少なくなり、やがて退化傾向にあるといえます。
[編集] -永久歯の成長期-
6歳位に乳歯の奥に最初の永久歯である「6才臼歯」が生えます。これは、物を噛み砕く力が一番大きく、永久歯の歯並びや噛み合わせの基本となる重要歯です。 しかし口内の奥に生え、溝が深く、歯みがきがしづらいため、食物のかすが残り、むし歯になりやすいといえます。 その後、前歯から順次抜け変わり、12歳頃までに永久歯が揃ってきます。その間は、乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」と呼ばれ、歯の高さが違っていたり、抜けた歯があるなど、みがき残しができやすくなります。
[編集] -永久歯の特性-
また永久歯といえども、乳歯動揺、生えてから数年はエナメル質が未熟なため、むし歯になりやすいです。間食を少なくし、規則正しい食習慣を身に着けることが大事。 未熟な永久歯は唾液中のミネラル成分などにより、徐々に成熟した歯になるので、しっかり噛んで食事をし、唾液をたくさん分泌させることも大切です。