象牙質
出典: オーラルペディア
歯の中層の象牙質(ぞうげしつ、dentin)は、その人の歯の色(歯の白さ)の基本調を決めます。それは半透明のエナメル質を通して、透けて見えるからです。
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象牙質の構成成分
表面のエナメル質(半透明)と違い、その構成成分として、硬組織の無機成分であるハイドロキシアパタイトが70%に過ぎず、残りはコラーゲンなどの軟組織となっています。
象牙質の色
その有機成分により、文字通りの「象牙色」です。象牙質の色は、目や肌と同じように個人差があり人によって様々な色をしています。歯の形成時期に一部の薬剤を服用した場合に、その影響で象牙質の有機成分が変色を起こすことがありますが、象牙質はエナメル質の奥にあるため、これらの変色は歯みがきでは改善されず、歯科医院によるブリーチングなどが必要になります。
象牙質の構造
象牙質の外部から歯の中心の神経(歯髄)まで無数の象牙細管が走っています。象牙質は上部(歯冠部)でエナメル質に、下部(歯根部)で歯根の外壁であるセメント質と周囲の歯茎に守られています。
象牙質のダメージ
むし歯によりエナメル質が破壊され、または歯周病や加齢などにより歯茎が下がったり、セメント質が薄れたりすると、象牙細管が露出され、温冷などの刺激が直接神経に伝わり、知覚過敏症になってしまいます。