歯周病
出典: オーラルペディア
「歯周病」とは、「歯肉炎」と「歯槽膿漏(しそうのうろう)」の総称です。
歯肉炎
歯茎の色が赤かったり、触ると弾力がなくプヨプヨして腫れていたり、歯みがきの時に血が出るような症状が一つでもある人は、すでに「歯肉炎」を起こしているかも知れません。その歯肉炎が起こるのは、歯に付着した歯垢がはじまりです。ブラッシング不足のためや取り除きにくい部分に歯垢が溜まってくると、その歯垢へのカルシウム沈着により歯と歯茎の隙間で歯石になったりします。この歯垢と歯石の中には細菌がいっぱい入っています。細菌から出てきた毒素によって歯茎が冒され、炎症が起きて赤く腫れ上がってしまうのが歯肉炎のことです。こうなってしまっては、美味しく食事もとれず、明るく笑うこともできなくなってしまいますね。健康な歯茎を歯肉炎から守るのに、毎日の丁寧なブラッシングが欠かせません。また歯垢を残さないように、歯と歯とのあいだや歯と歯茎の境目の磨きにくいところはデンタルフロスなどを使うことが大切です。また歯茎の病気は、栄養の偏りやストレスなどにより、身体の抵抗力が弱まるとなりやすくなるので、栄養のバランスを考え、身体の抵抗力をつけて、健康な身体を保つことも大切です。
歯槽膿漏
歯を失う原因の第1位を占めるのは、なんと、歯槽膿漏だといわれています。歯周病のうち、症状のやや軽い「歯肉炎」を放置しておくと症状が悪化して「歯槽膿漏」へと進んで行きます。しかもあまり痛みの自覚症状がないため、気付かぬうちに歯槽膿漏へ進行してしまうので、とても厄介な病気です。 10代でもすでに約6割近くの人が、成人となると8割前後の人が歯周病にかかっているといわれています。つまり大人のほとんどは、程度の差こそあれ歯周病にかかっているといわれています。歯周病予防は若いうちからのケアが大切なのでます。
歯周炎から歯槽膿漏に進むと、炎症は歯茎の周りだけでなく、歯と歯茎の隙間の深くまで進み、歯を支えている骨(歯槽骨)の周りにまで達しています。重度に進行すると歯槽骨がほとんど溶け、歯がグラグラと動くようになり、やがて抜け落ちてしまいます。
むし歯は歯が溶ける病気ですが、歯周病は骨が溶ける病気なのです。歯槽膿漏と呼ばれるのは「歯槽(歯茎)から膿が漏れる」といった症状を表しているからで、歯槽膿漏になると、歯茎から血が出るようになる以外にも膿が出たり、お口の臭いも気になるようになってきます。